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[コメント] 砂上の法廷(2016/米)

よく練られた、良質な法廷ミステリィ。見終わってみれば、すべてが「なるほど、なるほど」と納得できる。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







よくよく考えてみれば、横暴な夫の暴力に苦しむ妻が、家族ぐるみで付き合いのある有能な若い男と浮気をして、それがばれそうになって、間男と共謀して夫を殺害するというのは、平凡というか、ありきたりの犯罪だ。だから最後にそのことが明らかになれば、「そういえばそうだ」と自然に思い浮かぶことがたくさんある。

ただ本作のうまいところは、そういう平凡な筋書きを巧みにはぐらかす伏線のはり方だろう。

そもそもキアヌ・リーブスにしてみれば、直接刺したのは自分だとしても、夫の暴力にさらされた妻の正当防衛という完璧な脚本を用意して、無罪にする算段をしていたのだろう。

その計画がサッカーの練習が中止になり急に帰宅した息子の闖入によってパーになり、しかもその息子は駆けつけた警官に「自分がやった」と自供したあげく一言も口を利かない。

浮気相手の女からは息子を絶対刑務所送りにしてくれるなと頼まれても、「どうせえっちゅうんや」とやさぐれた気持ちになるのも無理もない。

その息子は実は将来いかにも優秀な弁護士になりそうな秀才君で、密かに自分が刑務所に行かずに済むための一発逆転を狙っていて、だからいっさい、口を利かなかったのね、とこれまた納得。

そういう意味では、ラストですべてが明らかになって、とてもおかしな言い方になるが、心地よい後味の悪さが残る一本であった。

ただこのラストは、コートニー・ハント監督の前作『フローズン・リバー』とは真逆の方向性で、その点には「ほほう」と恐れ入った次第である。

またこの映画を一緒に見た人から、レニー・ゼルウィガーは整形したらしいと教えてもらったから、本作の割と最初の方で、妻役がそうかとわかったが、もし教えてもらっていなかったら「どこに彼女が出ているの?」となっていたのではないかなあ、という程の変わりようであった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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