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[コメント] クラッシュ(2005/米=独)

禍福はあざなえる縄の如し、か。諦観し、世情を俯瞰したような映画。
シーチキン

人は、何か一つ悪いことをすると、その後ろめたさから何か一つ、善行をし、そして善行を積んだことで気が緩んで、また何か一つ、悪いことをする、その繰り返しが日常生活だと言っているようで、時たま散見する、欧米における仏教思想・東洋思想への傾斜のような気がしないでもない。

見ようによっては、マイケル・ムーア監督が『ボウリング・フォー・コロンバイン』で指摘したように、今のアメリカは得体の知れない不安の中で暮らしており、その不安の一つには人種偏見がある、と言っているようにもみえる。

群像劇で登場人物が多い割りには、そのつながりがけっこう上手に作られており、ごちゃごちゃした感じもなく、わかりやすく、その分、この問題が、今のアメリカではごくありふれたことなのかもしれない、と思われた。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)jollyjoker sawa:38[*] わっこ[*] リア

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