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[コメント] フェイク(1997/米)

悪者とそうでない者の線引き…果たして自分は合っているのだろうか。
mimiうさぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作を読んでいなかったから、アル・パチーノ演じるレフティという赤ジャージでうだつの上がらないマフィア、でもやる時はやるぜ!系の演出にも好感が持てた。

男達の友情に心が震える。

ドニーが警官だと疑いをかけられた時、レフティが言った 「ドニーを知らなかったら信じる所だった」 という台詞。切なくて仕方がなくなった。

そして、レフティのために金を工面してやろうと、妻を殴るドニー。妻は「マフィアに感化された」と嘆くのだが、ドニーは自分自身の良心と戦っていたのではないかと思う。

自分を信じて、友情を示してくれるマフィアのレフティと、その友情に嘘を付いている自分。どちらが「正義」なのだ?!

暴力をいとわない彼らのやり方は確かに汚い。汚いが、彼は決して身内を裏切らないのだ。友情には友情で返す。一度信じたら、最後まで信じる。そんな彼らの男気を裏切る自分の生き方に疑問を持ったのではないだろうか。

とすれば、友情を裏切った事への罪悪感が、彼の心にずっと住み着いたのだろうか?今でもドニーの首には懸賞金が掛けられている。命の危険を伴ってまで、本を出版出版したのには、彼らへの償いの意味もあったのだろうか。

こういった仕事を実際にやっている人の気持は、計り知れない。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)Sungoo[*] 狸の尻尾 Ryu-Zen[*] シーチキン[*]

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