[コメント] ゾンビランド(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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亜流を大量に派生させ増殖、輸入、逆輸入を繰り返し、ゾンビ映画の真の価値が捉えがたくなった昨今。
ファンたちも多岐多様にわたり、ゾンビのオリジナリティーを知らない人たちも増えた。
ここでゾンビ論を展開するつもりはないが、ゾンビの価値を瞬時に暴落させたのは、
バイオハザードであることは自明のことである。
ゾンビを殺しまくる興奮が、オンライン化され世界中で共有され続ける。
ゾンビはむしろ生の人間の代理であるとさえ言える。
しかしコアなファンの悲しみを嘲笑うかのように、このゾンビランドという映画は、
ゾンビ映画の現況と自己批判を内包したカリカチュアであろうとする。
78年のロメロのゾンビが凄かったのはサバイバルホラーとしての側面よりも、
ショッピングセンターを我が物に出来るユートピア的終末観であった。
この映画でもそこが強調される。
残された都市を堂々と闊歩し、自由を謳歌する主人公たちの楽しさが堪らなくうれしい。
姉妹の「噛まれた」詐欺のなんという爽快感。
ビバリーヒルズのビル・マーレーの大邸宅での「ゴーストバスターズ」上映会だったり、
西海岸の遊園地でのアトラクションをふんだんに使ったゾンビ退治だったり、
無限のユートピアが展開される能天気さは完全にサバイバルホラーを超越している。
ウディ・ハレルソンは、従来型のマッチョキャラを引き受けてはいるものの、
決して物語を引っ張ってはいないし、
ゾンビ状況の中で青春恋愛ストーリーにごく自然にシフトしていく馬鹿さ加減が新しい。
いろいろ褒めたがしかし、ゾンビにダッシュさせちゃいかんぞゴラァァァァァァァァァァァァア!
そこは絶対だ!!
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