[コメント] バベットの晩餐会(1987/デンマーク)
後半はただ料理して給仕して食べているだけなのにすごく面白い。もちろん、料理を作る、食べるという営み自体がもともと映画的な所業であるのだが、素材を作品に仕上げていく過程の見事さや、食す人々の素朴な驚きや幸福感が伝わってくるのが好い。
給仕の少年や、台所で相伴に預かる御者の存在がアクセントとして小気味よさを加える。何よりバベット(ステファーヌ・オードラン)の淡々とした所作が不思議に魅力的。ユトランドの寒々しい自然環境やパリから来た歌手の暑苦しいまでの濃いキャラクタなど、印象深い要素も多い。純朴にして愛すべき小品。
たまたま『フィールド・オブ・ドリームス』に続いて観たのだが、80年代ならではの現実社会を肯定的に捉える無邪気さが懐かしく感じられる。
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