[コメント] ダンケルク(2017/英=米=仏)
陸(浜辺)も海も空も絶望的に広く、完全なる無防備。空間がもたらす絶望、というモチーフを存分に表現している。
IMAX/2Dにて鑑賞。
ビラが舞う印象的なオープニグから一気の市街戦。命からがら逃げ込んだダンケルクの海浜、そこに突如飛来するメッサーシュミットによる爆撃、数メートル横にいた兵士が吹っ飛ばされ身を隠す場はどこにもない。この恐怖たるや。主人公の完全なる無力感と生き延びることへの生物学的決意に、観ているこちらも完全に同化する。それで十分。撤退戦の矜持なんてのは後付けに過ぎず、まあどうでもよい。
各パートの導入での”one week””one day””one hour”の表示に混乱しかけたが、時制制御で作劇に重層感を与えるのはノーランお手のものであった。
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