[コメント] 翼よ!あれが巴里の灯だ(1957/米)
現代ではもはやあり得なくなった「通信を完全に断たれた状況」。その状況下で冒険譚を描こうとすれば、回想形式にならざるを得ない。
この回想形式には古臭さをどうしても感じてしまうが、一方で回想シーンにはいくつかよいものもある。
初めて購入した飛行機で何とか離陸したものの、小屋の向こう側で一瞬姿を消し、再浮上する件りはベストカット。回想シーンに散りばめた伏線ガジェット(鏡、サンドイッチ、メダルなど)を孤独なコクピットで一つ一つ拾っていく手法も古典的だが安心感がある。
飛行のシーンはどれも素晴らしい。ハラハラさせる頼りない速度での助走、重力に打ち勝って離陸する瞬間の感動。スピリット・オブ・セントルイス号の造形も好い。
ジェームズ・スチュワートが演じる人物はいつもワンパターンなのだが、このようなパラノイアックな善人を演らせると本当によくハマる。
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