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[コメント] グリード(1925/米)

シュトロハイムのファンになった。無声時代にこれだけの作品がよく生まれたと思う。というのは私の浅見。無声、トーキーは一つの手段であって、素晴らしい作品を生み出す才能には関係がないんだということを痛感させられた。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私見で申し訳ないが、人間らしさというものは頭で考えるものではなく、本能というか、思わず行動してしまったというようなものと思っている。例えば母親が子供を思う気持ちとかー。

この作品では、母親については2シーンある。1つは炭鉱夫である息子・主人公に、手に職をつける為に歯医者を勧め、都会へ送り出す時の母親の顔の長いショット。もう1つは、結婚する娘の母親。式もパーティも終り、1人娘を夫になる男のもとに残していく、その別れ。2人はいつまでも抱き合っている。

上記は本筋には直接関係のないエピソードだが、リアリズムというか、人間をここまでしっかり抑えているんだと感心する。これでファンモード60%以上になった。こういうシーンをふんだんに入れている(母親の他に子供のシーンも多い)ので9時間にもなったのだろう。私としては元作品は、大いに評価したい作品になっていたと思うのだが。

1つ嫌なシーンがある。楽しいデートで駅近くの海岸へ行くが、途中浜にネズミの死体がある。悲壮な将来を暗示しているのだろうが、趣味が悪い。結婚式当日、窓の向こうに葬式の行列が通り過ぎるというシーンがある。これも将来の暗示だろうが、こちらは厳粛な雰囲気もあり良い。

ラストが素晴らしい。普通にというか真面目に生きて来たこの主人公なら、最期はこうだろうと思わせるラストだった。映画「127時間」('10年米)ならnextがあるが、こちらはそうではない。ラストシーンは遠景ではあったが主人公の声が聞こえそうだ。・・・疲れた、と。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山[*]

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