[コメント] ミスティック・リバー(2003/米)
古傷の呪縛。彼を底なし沼から引き上げてくれる者は誰もいない。妻も、そしてかつての親友たちさえも。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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デイブはかつて変質者に強姦されている。それによって彼の人生の磁針は大きく狂わされた。たとえ立派な息子を育て上げた父親になった今でも。
デイブはそれゆえに、子供らを犯そうとする男を看過することはできない。だが、その情熱ゆえに復讐を遂げたときにも、彼はそれをひた隠しに隠し、あげく少女殺人犯の汚名を着せられる。だが友にも女房にも語れるものか、おのれを犯した過去への報復だ、などと!
彼は私刑にあって死ぬ。下手人は娘を彼に殺されたと思っているとはいえ、かつて友人だった男である。そして殺人事件の担当だった、これも友であった刑事は、それを見てみぬふりをする。デイブの妻は息子の晴れ姿を賛美することで、忌まわしい夫を忘れようとしている。
友に裏切られたことの多かった自分には随分脳髄にガツンときた映画だった。「男の友情はいつだって永遠だ」?笑わせるんじゃない。それは人生の深みを知らないか、あるいは非常に幸運だった男のタワゴトだ。
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