[コメント] MW -ムウ-(2009/日)
原作は昔読んだきりなので微々たるエッセンスしか記憶に残っていないのだが、賀来と結城のキャラクターに違和感が隠せない。もっとも、それが映画と漫画の差なのかもしれないのだが、それだけでは絶対的な溝は埋められまい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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賀来が神父になるということは、この物語の中で一方の象徴となる重要なファクトであるはずだし、物語の語りどころの一つであったはずなのだ。しかし一向に賀来は己と結城の罪に苦悩しはしないし、物語の中ではラストに少々活躍するにしても結城の陰に隠れっぱなしだ。正直、賀来が聖職者である必然性がない。
そして結城の中性的な妖しい色気もそうだ。論理詰めの物語でないこの作品世界では、それは大いにモノを言うはずだった。『MW』とは「MAN」と「WOMAN」の頭文字でもあるように、重要な要素だったはずなのだ。結城はその魔力で賀来たちを始めとする人々を籠絡し、陰謀を進めていった筈だろう。それがなくては魅力は半減する。
結局、理詰めの犯罪物語であるこの映画は、単なるピカレスク・アクションになってしまった。タイでのカーチェイス場面など頑張っているようではあるが、自分が映画に求める魅力とはそうしたものでは残念ながらないので、物足りない物語であったことは否定できない。
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