CinemaScape/Comment: パリ、テキサス

[コメント] パリ、テキサス(1984/独＝仏)

テキサスにもパリがあるように、乾いた砂漠にもオアシスがあるように、渇いた人生にも潤いはある。渇ききったものが潤いを得るとき、そこには悲鳴を上げそうな痛みが伴う。が、それは、まぎれもなく潤いである証なのだ。やはり、テキサスにもパリはあった。

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トラヴィスがあの部屋で独白をするシーンで、語り続ける彼の表情に１カットも戻すことなく、ひたすら、徐々に変化していくジェーンの表情を撮り続けるヴィム・ヴェンダース。

あれにはやられた。

渾身の演技をしていたであろうハリー・ディーン・スタントンも、あれには納得せざるを得ないだろう。

監督・脚本・撮影・音楽・演技。全てが一体になっている映画だと思う。

(評価：★5)

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