[コメント] いけちゃんとぼく(2009/日)
子供たちの理不尽な社会構造に対しての丁寧な描き方は好感が持てる。確かにあの年代っていうのはああいう些細なことに胸を砕かれるんだよ。結局、大人になってもあの構図は変わらないってことに俺たちはその後気づくわけだけど。蒼井演じるいけちゃんが感情過多な台詞になった途端に作品から心が離れた。いけちゃんは傍観者の立場から離れてはいけないと思うんだ。
西原の作品のキモは、耐えてる人たちだからこそ泣けるっていうのがあるはずだ。 彼女の作品はみんな局面に来ると無表情になる。 にも関わらず、その無表情の向こう側にある感情がストレートにグサグサ来る。 これだけ丁寧に描くことが出来る監督なら、 それを映像で描くことは見せ方として決して難しくはないはずだ。
泣けなかったのはたぶんそういうことだ。
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