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[コメント] 殺しのドレス(1980/米)

浮遊感覚。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画の魅力は何かと聞かれれば私はあっちに行ったりこっちに行ったりふらふらした浮遊感覚だと答えるだろう。次から次へと雰囲気、要素が変化していく映画だ。オープニングの謎に満ちたエロ(シャワーシーンはエロくてなんぼだ)、美術館でのセリフを極力拝したシーン、エレベーター内でのホラースプラッター的な殺人、犯人を探していく推理もの、マイケル・ケインと捜査する女の緊迫したやり取り、そして精神科医の恐るべき人格の露呈(ここの描写が弱いため作品にアクセントがない)。

つまりいろいろなジャンルがごった煮となった構造になっている。『サイコ』を下敷きに使ったのはさすがに分ったがそれでも似て非なるものだ。常に良い映画に対して思っているのだけど、どの登場人物にも明確な意義がある感覚。それが感じられた。すぐに殺されてしまう最初の女もラストへの複線になっている。更に息子の存在も無駄とは思えない。精神科医の二重人格の影響を強烈にすれば相当な作品に成り得ただろう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)けにろん[*] 山ちゃん[*] さいた かっきー

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