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[コメント] 殺しのドレス(1980/米)

サービスショット満載
山ちゃん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 久々に再見。面白い。というか退屈なシーンが一切ない。本作は、セクシーサスペンス。セクシーサスペンスと言えば、個人的にエロシーンしか印象に残らないが、本作は違う。一つ一つのシーンが映像的(視覚的)に面白い。ここでいう映像的な面白さとは、例えば、地下鉄のシーンで、娼婦リズの顔面アップが映し出される中、彼女の見えない後ろ(後景)で(彼女に襲い掛かる)ブロンド殺人犯が電車に乗り込み、彼女が振り返ると今度は、彼女の後景で(これまた彼女に襲い掛かる)黒人のチンピラ集団が電車に乗り込むという遊び的な仕掛けが挙げられる。また、精神科医エリオットとブロンド殺人犯とが同一人物でないものと観客をミスリードさせるかの如き、同時並行で彼と、彼女と似た尾行警官と、を映し出す画面二分割シーンといったトリッキーな仕掛けも挙げられる。本作は、このようなギミックな仕掛けが随所に挿入されている。サービス精神満載である。熟女のパンツを脱がせるシーンぐらいしか本作にラブシーンはないが、こういうサービスショットは満載である。

 また、本作の面白い所として他には、理系少年ピーターの自作カメラの一連の作製工程シーンも挙げられる。特に、彼の部屋の壁に貼られた自作カメラの配置図、設計図、そして自作カメラを作製する彼の姿、を映し出す一連の流れは、理系脳を擽らせる。さらに、セクシーサスペンスに場違いと思しき彼の介在により娼婦リズが、ただのビッチから綺麗なお姉さん的存在へと移り変わっていく所も面白い。特に、彼の自作カメラで撮影した映像を二人で見入るシーンは、姉と弟のようで微笑ましい。そして、このように見ていくと、本作は、セクシーサスペンスでもあり、理系賛美映画でもあり、少年の年上の女性に対する純愛映画でもある、というなんともよくわからない作品でもある。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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