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[コメント] G.I.ジェーン(1997/米)

「女が男と同様になれば平等」という非常に間違った男女平等意識に始まり、何故か途中で陰謀渦巻く政治ゲーム、そして不快感を抱かされた戦闘シーン。まず一言に散漫。この映画は一体何を言いたいのだろうか?そして、全く最悪。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まずこの映画にあるのは、「女が男と同等もしくはそれ以上に国のために戦えれば、立派な合衆国市民として平等に扱われる」というトンデモナイ男女平等思想である。つまり、女が「女」を捨て「男」に近づくことで男女平等を達成できるという大変な誤認なのだ。男女平等の理念というのはそれぞれの性が互いに「違い」を尊重し合っていくことであって、「違い」の存在を否定し同化を求めるものではないはずだ。ハッキリ言って、この映画は間違っている。

終盤もまた劣悪。機密データを他国領内から回収するため、特殊部隊とその救援部隊を極秘裏に送り、その場にいた何も知らないその国の警備隊を壊滅させて帰還する。宣戦布告もなく、まさに身勝手な戦争だ。警備隊はただ、正体不明の侵入者に襲われ反撃に出ただけだ。自分の国を守ろうとしただけだ。なんたる不幸であろうか。逆の立場をまるで考えていない。

監督リドリー・スコットということで、どうしても弟トニー・スコットの『トップガン』での戦争に対する劣悪な見識を思い出さずにはいられなかった。

俺はこの映画に怒っている。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)kazby[*] ウェズレイ[*] ジャイアント白田[*] アルシュ[*] mize kiona さいた

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