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[コメント] 若おかみは小学生!(2018/日)

よく出来た作品であるとは思う。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この作品の主題は、主人公であるおっこの成長であり、それを実際の小学生がそんなに容易くそれができるかは別として、自身の喪失の悲しみを乗り越えて「若おかみ」という役務を全うするという物語で表そうという意図はよく伝わった。

また、神楽というおこないにより、そこで招かれながらいまだこの世に思い残すところがあって居座り続けている魂(幽霊)が、それらの思いを解消してくれる共通項としてのおっこに救われ、最後はそんな彼女の舞う神楽(思えばそれは彼女の両親がこの世の最後の日の願ったことでもあった)によって神から真の鎮魂を得るというサブストーリーを描こうとしたのもよくわかった。

が、序盤から中盤にかけて何度となく繰り返される、現世の者には見えない幽霊への発声は、途中から「もういいから…」と耳障りに感じるほどだし、占い師の発するエロティシズムに作為的ないやらしさを感じるところも個人的にはいただけなかった。

また、それより何より、最後の加害者と被害者との対面という話材に関しては、この年齢の主人公がまさに瞬時に神の視点を覚るというのは展開としてわからなくもないが、いささかハードルを上げすぎたのではないかと思った。

決してそうではなく、普通の小学生が、普通の小学生のレベルで何とかそれを乗り越えようとする、そのプロセスをこそ見たかったというのが私の正直な思いである。

それはそうと、皆も書かれているが、本作における交通事故シーンのリアルさ、恐怖感は異常なほどである。これを見た普通の小学生はどのように思ったのだろうか。

(評価:★3)

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