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[コメント] 秋菊の物語(1992/中国=香港)

これが「コン・リー」?ここにいるのはまさに「秋菊」だ。これを「演技」と呼んでいいのか。いや、これは「演技」なのだ。紛れもない「演技」なのである。今まで何気なく使っていた「演技」という言葉の意味を教えてもらったような衝撃。
ナム太郎

当時の中国の生の暮らしを(恐らく今もたいした変化はないと思われるが…)ドキュメンタリー・タッチで撮りたいがために用いられたであろう16ミリ・フィルムに刻み込まれているのは、「秋菊」というまさに生きた人間の姿。

一瞬、ここに「コン・リー」はいるのか?という妙な感覚に襲われた。というのも、ここに描かれているのはまさに「秋菊」と呼ばれる実在の(としか言いようがない)女性以外の何者でもないからである。

これを「演技」と呼んでいいのか。いや、しかしこれは「演技」なのだ。紛れもない「演技」なのである。今まで何気なく使っていた「演技」という言葉の意味を教えてもらったような衝撃とは、決して大袈裟な表現ではない。

そういう意味では、チャン・イーモウの「演出」にも最大級の賛辞を贈らねばなるまい。

いや、恐るべき傑作を見た。これだから映画はやめられない。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ゑぎ[*]

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