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[コメント] シックス・センス(1999/米)

こんなことって確かにあると思う。
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







例えば、いつもと同じように起きて、朝ご飯を食べ、連続ドラマを観た後、「今日はあれとあれをして...」なんて思ってた瞬間、心臓が止まることもある。 そしたら、きっと本人は死んだと気付いてやしないんじゃないかと。

大切な人を突然失った者は、相手が死んだこと自体を受け止めるのに相当の時間を必要とするし、それが悲しいというより、心にぽっかりと風穴が開いたような、体のどこかにどうしても力の入らない部分が出来てしまうような感覚がする。 なんか、もっと話がしたかったのに。夢でもいいから出てきて欲しい。ひょっとしてそこら辺をうろついているんじゃないのかしら。それなら、電気をぴかぴかさせてみて...なんて。 彼は確かに死んでしまったんだけど、どうにも信じられなくて、やっぱり今でもそばにいるような気がしたり。 そんな、生きている者の未練が、眠りにつこうとしている者の魂を揺り起こし、呼び寄せてしまうのではないかと、ふとそんな気がした。

それなのに、会いたいと思っている人の側からは普通は見えないし、話しかけられても何も聞こえないんだ。 これと似たような題材を取り上げた映画をこれまでに誰もがひとつやふたつは観てて、こんな話があるってことも知ってる。 だからこそ、この映画は、最後の最後に、こんなにも鮮やかに”常識”を演出して見せる冒険が出来たのだと思う。

私はといえば、マルコム(ブルース・ウィリス)の静かに去っていく様を見届け、その連れ合いの転寝する柔らかな表情に安堵し、コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)親子のこれからを思い、また涙を流してしまう。

(評価:★5)

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