コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ(2005/米)

近年のサスペンスの定石やサプライズを弄することに執心してて、では実際のトコロどんな話なのだろう、ということを全く省みてないとしか思えない。全くもって酷い話。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「父親に刃を向けられる」ということが、ただのサスペンスのネタ以上の扱いがされてないけど、そんなものなのだろうか。「だから娘が壊れたって当然なんだよ」と言いたいのだろうけど、だったら何故そんな話にするのかを問いたい。深い悲しみも血の繋がりからくる葛藤も描かれていないので、当然そこから何も得るものはない。むしろ製作サイドはケロっとこう言うだろう。「だってこんな衝撃の結末ないだろう?」・・・正直なトコロ心に何も響くことなく、ただイタイだけの話は御免です。それはサスペンスだって例外じゃない。幸い人物造形がややウソ臭いので、痛みがリアルに迫ることはなかったけど。

人物造形が薄っぺらいと言えば、最後に豹変したところで「ああ、それでこの役はデ・ニーロなのかぁ」と一瞬腑に落ちたけど、こんな薄弱なキャラ造形じゃ、さすがのデ・ニーロもどんな顔して演じれば良いのか分からんでしょ。豹変後の演技がイマひとつ煮え切らないのは、彼のせいではないと思う。まあデ・ニーロ自身があまりやる気がなかったのかもしれないけど・・・。ついでに言うと、村人たちの胡散臭さは一体何の意味があったんだろう。デ・ニーロの被害妄想では片付けられないほど、演出が胡散臭さを煽ってた気が。特に隣の夫婦なんて最たるもんで、夫に疑惑の矛先を向けようとするあまりに、無意味なまでに胡散臭い人物に仕立てられていたように思える。

(2006/2/17)

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)G31[*] はしぼそがらす[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。