[コメント] 贅沢な骨(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
贅 沢 な 俺 そ し て 俺 が こ の 世 で 一 番 メ ン ド く さ い
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閉じる。赤いまぶたの裏。 開く。光あふれる世界 閉じる。誰にもいえない秘め事。 開く。心を やっぱできない 開く。呟かれる嘘 閉じる。真実。 そして、永遠に閉じつづける。
喫茶店の開けっ放しの扉。ミヤコは「閉めてけよ」と扉を閉める
麻生久美子(ミヤコ)は最後まで映像上では「脱」がない。自分から服を脱ぐが、「脱」がない。一方、つぐみ(サキコ)は「脱」いだ。自分から服を脱がないが、「脱」がされる。
サキコへのプレゼントに買った服、靴。それを着て、それを履いてミヤコは仕事に出かける。
サキコがよくギターで引いていた曲。そのバンドのヴォーカルの声はシンタニさん。
ジューサーの中の金魚。ジューサーが回っていなくても、底には常に刃がある。だから、金魚は無理な呼吸を続けながらも同じ水(空気)の中を泳ぎ続ける。ミヤコはコンセントが繋がっていない事を知っている。それでも、押し続ける「ON」のスイッチ。3人の金魚が一つに交わろうとすると、一つの血の海になるだけ。だから、スイッチは入らない。
うなぎの骨が一度突き刺さったような感覚。もう刺さってなんかいないのに、いつまでも突き刺さっているかのようなあの感覚。もう刺さっていないのに、その痛みから抜け出せない甘え。その悪循環を繰り返すうちに、刺さっている感覚を味わっていた頃が確かな安定があったことに気づく。それでも、今は刺さってはいない。それは、良く分かっている事。いつまでも、刺さっている感覚に浸り、自分を開かず、自分を閉じ続ける。
薄暗い部屋の中にある明かり
犯行の動機について容疑者は「財布が取ってくれといっているような気がした」と供述しています
自分から服を脱がなかったサキコは、最後の衣服(パンツ)を脱がされる時に、自ら左足を抜いた。それでも、「ダメ。あたしやっぱり汚い」
誰も 知らない 何もかも無い時に 自分の 居場所を 見つけられずに 泳ぎ疲れ いつか 本当の 言葉だけ拾って 現実と 欲望の深い海に この身を投げる ナイフよりも冷たい この体を 包む毛布を 一枚 下さい 過ちや 汚れを 知らずにいた あの火が消えて 無くなる その前に
サキのTシャツのロゴは「10」から「9」へ
そして、浜松町の次は「有楽町」ではなく「新橋」だ
そういえば、最近カレーのにおいがしないな
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永瀬は文句無く0点
多くの監督が彼に惚れ込んでいるようですが、俺は彼に不感症。 私見だが、行定監督はわざと何をやっても0点の「永瀬正敏」を起用したと思われる。
いつも煙草を手にしているシンタニ。それしかやることがない。最後のシンタニの後姿。俺にも覚えがある。振り返ったのに、ハンバーグのお礼かよ。というあの気持ち。
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ホテルでシンタニさんとミヤコが一本の煙草を回すシーン 今までみた男女が煙草を吸うシーンで最も秀逸
20021206
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