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[コメント] 自殺サークル(2002/日)

冒頭はかなりの衝撃。だが、それだけ。この監督とこの作品が好きな人がいるだろうという事は、とてもよく判るが…
ミュージカラー★梨音令嬢

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ただ、何について掘り下げたかったのかは私には判らない。と同時に、このテの映画には嫌悪感を感じてしまう。好きな人はどこまでも好きなんだろう

ただ、ちょっと考えさせられたのは…。私の周りの状況だけからの意見ではあるのだが、こう「死ぬ」って事がここまで軽くなってしまうってのは、そんなに現実離れしてる事ではないのだろうな…と。私の周りには「死にたい」とか言う人がいたり、実際リストカットをしてる人もいたりする。だが、その人達は例外無く(あくまで私の周りだけ)、ただ悲劇的に自分を飾り立てたかったり、皆に心配して欲しいという思いが根底にあったりするようなのだ。その上、シブとく長生きしそうなんだよな…。意外とそうやって「死」ってのを身近に考えて(手段ではあるが)ネガティブシンキングな人ほど、そんなに簡単に死なないものかもしれない。人は責めても…ね。そう思うと、やっぱり「いっせいのぉせっ!」ピョン!……っていうこのサクサク軽い感じで死ぬっていうのは現実的なのかもしれない。そういう人こそ、死んでしまうのかもしれない。特に、現代は死と生の境界は確かに曖昧になっているし。…う〜ん、怖すぎる。 だが、「勝手に生きろ」ってのは頂けない。言われなくても勝手に生きますよ。腹立たしい。園子温はこれで初めて知ったが、そんな事をガキんちょに言わせるな。ここまで大風呂敷広げて最後がこれってのにも腹が立つが(その肩透かしを褒める人がいるのも判るのだが)、子供に言わせるなんてキビしい現実を描いてるように見せてるようだが、そりゃただの「逃げ」だ(同時に腹立つし)。……少なくとも、私にはそう見えた。本当に「勝手に生きろ」って伝えたいなら、もっと別の手段があったろうに。“子供”といういかにも思わせ振りなアイテムで逃げ道を作っているような作品が良い訳がない。

あと、ROLLYは別にいらなかったのでは…そこのシーンだけ浮いているよう。ただ、彼自身にあの役はピッタリだったのだが…。デザートもいらないだろう…いるならいるで有効な使い方はあった筈。ハム太郎の中のミニモニじゃあるまいし。

冒頭の衝撃には敬意を表するが(ただ血飛沫はやりすぎ)、それ以外に褒めるところはあまりないかな…役者も宝の持ち腐れで、ちょっと失礼だしね。すべて中途半端。ただ、あのガキんちょ達に言われた「余計なお世話!」な言葉達の不快感だけが心に残る後味の悪い映画だった

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)はしぼそがらす[*] Linus[*]

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