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[コメント] スターリングラード(2001/独=米=伊=アイルランド)

白状しましょう、実は私スナイパーでした。「ロシア抜きのグラスノスチでいいのか?」「いいんです!」
アルシュ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







(01.12.23 短縮バージョン化Review)

・私は数年前までサバイバルゲームに身を投じていて、スナイパーを担当していました(ルガー・スポーターという銃)。遊びとは言え、撃ち合いの緊迫感は相当なものです。相手が迷彩服を着ると周囲と溶け込んでしまいます。スナイパーに必要な能力は正確な狙撃だけではなく、索敵能力も重要です。そう言った駆け引きも余さず描かれています。ただし、最初にヴァシリが能力を見せる場面で、ダニロフから受け取ったライフルがあれ程精度の良いものとは思えませんでしたが・・・。

●陳腐な恋愛物語? No!

・あの兵士たちが雑魚寝している状況での濡れ場は、明日の命も知れない最前線に投入された当人たちの立場で考えれば、自分たちの欲求に正直であったと思え、涙さえ出ます。それと『ラ・マン/愛人』のアノー監督ですからかなりリアルですね。

●生きていたターニャについて

・随分、これで失望した人が多いようですが、自分は彼女が死んでいないと睨んでいました。ダニロフの死に方を考えると、ターニャが爆撃で死ぬというのがあっさりし過ぎていたし、小舟にも運ばれましたから・・・。

・ラストシーンではヴァシリが得意の索敵能力で、数多の患者の中からターニャを見つけ出します。本来殺し屋としてのスナイパーのはずが、愛を紡ぎ出す為の資質として見事に発揮されたのです。

・手放しで高評価を与えてしまいましたが、日本人が『パールハーバー』に抱く感覚と同じで、ロシア人もカリカチュア化され歯痒さを感じているんじゃないでしょうか?この「戦争」とヴァシリの存在と活躍が真実だとしても、どこまで事実が捏造されているかも気になるところではあります。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)プロキオン14 おーい粗茶[*] shaw[*] さいた ねこすけ[*] G31[*]

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