[コメント] 祇園の姉妹(1936/日)
サディストと称される事もある溝口を、この作品を見て本当に初めてサディストだと思った。この人、怖い!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ダメダメな男たちをバカにし、敵視しつつも、女にとっては結局超えられない壁、男。という図式を貫く本作。その超えられない壁をよじ登り、突き落とされて、そしてボロボロになるおもちゃ。おもちゃが抱く熱く強い怨念のような思いとラストの涙は胸に迫るものがあります。
そうしてそれは汚い男を非難するような作風に見せかけて、やっぱりどこかに神様目線の溝口の存在を感じずにはいられない。結局のところ、その目線は決して女に寄り添わない。高みの見物に終始している。その神様目線から逃れられないおもちゃは、本当に蜘蛛の巣に掛かった蝶々のよう。
サディストと称される事もある溝口を、この作品を見て本当に初めてサディストだと思った。この人、怖い!
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09.03.09記(09.03.04DVD鑑賞)
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