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[コメント] ひらいて(2021/日)

奇をてらったり思わせぶりな演出なしに、淡々と野暮ったいほどの(それは首藤凜監督が担当する編集にも現れている)愚直さで愛(山田杏奈)の言動を追うことで彼女のモンスターぶりが露わにされる。視線の客観性が独占欲に無自覚な女子高生の凄味をいや増す。
ぽんしゅう

この主人公・愛(山田)の、自我を核としたブラックホールのような吸引力(欲)はそら恐ろしい。近年観たモンスターキャラのなかでも不気味さはピカイチかもしれない。おそらく原作小説では、受け手の想像力に負う文章(文字)力によって作りだされるモンスター女子高生を、何としても客観的に視覚化するのだという、映像作家としての首藤凜の演出(視線)に硬質な意志を感じる。この監督が秘めている可能性と若さ(26歳!)に期待を込めての★五つ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)IN4MATION[*] ゑぎ[*]

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