[コメント] 卒業(1967/米)
彼は一体何から卒業できたのだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
あえて言えば青二才な自分から卒業したことか。それはエレンにも当てはまる。そこら辺がアメリカ映画で見受けられる人生観として、興味深い。欲しいものは、他人様のものであっても奪い取れ。しかし書類上の卒業は出来ても精神的な卒業はなんと難しいことか。尾崎豊の歌じゃないけど、一体いくつ卒業しなきゃならないのよ。そう考えると気が滅入る。
ベンジャミンの行動があまりにも行き当たりばったりで欲望の赴くままという印象を受けざるを得ない。刺激を求めてミセス・ロビンソンと関係を持つが、賞味期限ぎりぎりの体にはすぐ飽きてしまう。身近なところに手ごろな新鮮でピチピチしたのがいるのでそれに乗り換える。それを最後の有名すぎるシーンを唐突に持ってこらえて純愛って言われてもねえ。
何かから卒業するためには、何かを得るためには失うものも必要だと思うのだが彼が棄てたのはいらないものだけ。しかしこのラスト・シーンは一方で二人の今後が極めて険しい道のりであることを思わせる。今年あたり『ベンジャミンとエレン〜卒業してから』という感じで続編を出して欲しい。二人は案の定別れているかも。
ここまで主要な登場人物に感情移入できないのも珍しい。結婚式場から花嫁を奪われる男の好奇の視線を感じてしまうと遣り切れない思いだ。サイモン&ガーファンクルの音楽に+1点。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。