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[コメント] 黄泉がえり(2002/日)

映画として一番盛り上がりそうなところが一番邪魔くさいという、なんとも皮肉な作品。
ゆーこ and One thing

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







その1

 歌は上手だし聴き応えもあるが、最後のRUI(柴咲コウ)のコンサートシーンが長すぎて興ざめする。3曲フルコーラスって・・・。それまでキーボード奏者と歌い手であるRUIの描写がほとんどなかったのに、ラストで急に乱入してきておいしいとこ取りするな! コンサートシーンでキーボード奏者が映るたびに「ああ、この2人はもうすぐお別れなんだね・・・」というより「一体あんたは誰ですか?」という気持ちが頭をもたげる。

その2

 葵(竹内結子)と平太(くさなぎ剛)の主ストーリーが貧弱で、なんだかドタバタ気味。3人の美しい友情を紡いできた「俊介」(伊勢谷友介)って一体どんな人だったんでしょう。邦画は語らないのが美学だが、あまりにも触れなさすぎ。それと余談だが、平太の走り方が非常に不格好で、作品に対する集中力がそがれる。こういう細かいところに演出は気を配らないといけません。

 でも、サイドストーリーは本当に傑出した出来でした。

 よみがえっても、そこには既に自分の居場所がなくなっていたラーメン屋の店主(哀川翔)。

 2度と出来ないと思っていたキャッチボールをする兄弟(山本圭壱東新良和)。

 自分の命と引き替えに娘を残した母と娘と父(忍足亜希子伊東美咲田中邦衛)の邂逅。

 自分を求めるものなどどこにもいないと思っていた自分を待っていてくれた人(市原隼人長澤まさみ)。

 このサイドストーリーに出会えただけでも、この作品を観た甲斐がありました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)おーい粗茶[*] すやすや[*] JKF[*] ナム太郎[*] セント[*] 水那岐[*]

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