前作「ターミネーター２」から１２年経ち、未来の危機は回避されたかに見えた中での続編。過去２作が１００点満点の出来だったので、「とんでもない出来栄え」になっているのではと心配でしたが、ストーリーには合格点を付けられる出来栄えでした。ストーリーの骨子は過去の「ターミネーター」シリーズと一緒ですが、結局のところ核戦争は回避出来なかったという意外なオチには目を奪われました。

でも物足りない点があったのは事実。その物足りない点はキャラクターとアクションが弱くなったこと。

その１　最強のターミネーター・Ｔ−Ｘが最強に見えない。武器がいっぱい付いて強くなったはずなのに、Ｔ−１０００よりも弱く感じる。やっぱり見たこともなさそうな「プラズマキャノン」より、突き刺されたら血が噴き出しそうな「ナイフ」の方が恐怖を感じる。

その２　未来の指導者になるジョン・コナーと副司令官になるケイトも、意志の強さが感じられない腑抜けみたいでインパクトに欠ける。

その３　印象に残るアクション場面が少ない。一番の見せ場であるクレーン車とのチェイスシーンにしても画面がごちゃごちゃしているというか、「クレーン車ではじき飛ばしたら迫力が上がるだろう」と製作陣が配置したアイテム（車や電柱、建造物）が多すぎて、アクションを行う人物に焦点が当たっていません。「ターミネーター２」のＴ−１０００の乗るトラックＶＳバイクのチェイスシーンを思い浮かべていただくと、シンプルでも素晴らしいアクションシーンが撮れることが分かります。