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[コメント] 真珠の耳飾りの少女(2003/英=ルクセンブルク)

この映画は監督のものでも、脚本家のものでもない、完全にスカーレット・ヨハンソンのものだ。そして彼女を描き切った本当のフェルメール、勿論コリン・ファースなどではない、美術監督のベン・ヴァン・オスと、撮影監督のエドゥアルド・セラに最大限の賛辞を贈りたい。
町田

室内に於けるキャンドルを模した柔らかいライティングがとにかく最高!こんな画面は今までに観たことが無い。ヨハンソンが恋人との逢瀬で使う、黄色い並木道のシーンも印象的。

オリヴィア・ヘトリードの脚色は、意地悪少女の中途半端な扱いを見ただけでも、明らかに失敗しているし、監督のピーター・ウェーバーも、ストーリテラーとしては饒舌とはいい難いのだが、上記三人の職人業によって、観るものに鮮烈な印象を、映像として角膜に残す、佳作となった。

それにしても、かつてはピーター・グリーナウェイ諸作品、最近では『アドルフの画集』を手掛けている美術監督ベン・ヴァン・オスという人は、現在現役で活躍している映画美術監督の中ではダントツの、2位に100ゲーム差くらい付けて首位に立つ鬼才中の鬼才ではないか?個人的には、彼の手掛けた作品だけを集めた特殊上映会が企画されても全く不思議ではないし、されてしかるべきだと思っている。特集本が出てもいい、というか、まだ出てないのが不思議なくらい。出たら、買うね、間違いなく。

(評価:★4)

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