[コメント] 風花(2000/日)
(合掌)あー酒飲みてえ(泣)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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相米作品に出る役者も大変である。これだけ緊迫した演技を追いつめられるように演じている。キョンキョンの好演も素晴らしいが、この長回しのカメラに対応できる役者はそれほど多くはないだろう。 相米監督にしては珍しくロードムービーのように見えたが、よく考えると北海道(北国)という場所を限定し、回想シーンの積み重ねでドラマを組み立てている。 確かに風景を描くシーンは美しいものがあったが、このドラマではそれほど大きな役割を果たしていない。 むしろ風景の中で演じる役者のエネルギーを強く求めている感じがしました。 特に、小泉今日子がダイアモンドダストの中で演じる生と死のパフォーマンスはアンドレイ・タルコフスキーに近づいた(大げさかな)と言えるほど美しいシーンでした。 確実に死を描いた映画なのに、作者の生きたいというメッセージが最初から最後まで途絶えることなく伝わります。小泉今日子が睡眠薬を飲んで雪の中に横たわるシーンでさえ、決して死ぬことなど想像させない。むしろ生きることへの強い執着心を増大させるための手段でしかない。そんなイメージでした。 相変わらず感動を極力抑えた表現で、決して見る者に感動を強制することなどないこの手法は、相米監督が日本映画の古典を現代に再生させたと言えるのではないでしょうか。 この作品が最後かと思うと、なおさら感動が後から後から押し寄せてくるような気分です。
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