コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023/米)

あっという間の2時間44分! 文句なしに面白い!
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







じゃあ5点でいいじゃん。…でもやっぱり長いかも。

前作でついにトムが生身のアクションを披露して観客を楽しませるという「ミッションインポッシブル」のシリーズとしてのフォーマットが確立し、本作もそれを継承している。方向性が定まったので見せ場の設定も堂々としたものだ。その自信の現れはミステリーやスパイ映画の晴れ舞台たるオリエント急行を選んだところに感じる。ここを舞台にするからには伝統的な諸作品に恥じないものを作りたい、ようやく僕もそれらに肩を並べる、あるいはそれらを超えるものを送り出すまでに成りましたよ、という自負を感じるのだ。前作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のラストの崖に挟まった2機のヘリの落下のシチュエーションと似ているが、列車の落下のアクションは見ごたえがあった。文句のつけどころがない。

しかし皮肉なことが2点。ひとつはせっかくシリーズの方向性が定まって、これからというところなのにトムはどんどん年をとってしまうことだ。やはりアラカンのトムの老いは(もちろん年齢の割には凄いのだが)どうしても感じてしまう。トムが生身のアクションに手ごたえを感じたのは『M:i:III』での激走シーンが派手な戦闘シーンより高く評価されたからだろう。その時点でもう40代。もっと早く気がつけば…とトムが一番思っていることだろう。4作目から本作までトムの全速力シーンは必ず出てくるが、やはり前作よりもだいぶきつそうに感じた。もう一つの皮肉は動画特殊加工の技術の向上で、もはや言われなければわからないくらい自然な本人の再現がCGで可能になってしまった。もうスタントシーンをアップから引きの画でとって本人であることを明らかにしても、それが本人であることを今後は担保しないのだから酷い話だと思う。(たまたまちょうど同時期に上映している『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』で、走行中の列車の屋根の上でのアクションシーンをCGのインディが演じているのがなんとも皮肉だ。コロナがなければ本作のほうが先に世に出ていたし、こっちは白昼堂々でCGの誤魔化しが効きにくいのだが、そんなことは数年後の観客からすればもはや本人かどうかなんて誰も気にもしない、なんならすべてCGでしょ?くらいに思われてしまうのだろう)

ともあれ、冒頭の潜水艦でのAI暴走から、鍵の奪取を巡っての三つ巴四つ巴のチームの争いが最後まで持続しワクワクしっぱなしである。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] ジェリー[*] セント[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。