引きこもり陰キャの悪役＆ヒーローの設定も、SNS時代の犯罪という設定も、もう食傷気味。別にこの映画のせいばかりではないけども、じゃあ描きたい絵以外で描きたいこと、この超メジャーコンテンツをして表現したかったことって何だったの、と言いたくなってしまう。

最初この作品でのゴッサムという街の秩序の保たれレベルが良くわからず、もっと薬中ばかりの狂った社会と思って観ていたら、悪の真相が政治家の汚職にあったという程度には秩序のある社会なんだなと知って意外。だってそう現実と変わんないじゃん。確かに見た目には街は汚れに汚れていているけど別に荒廃している感じはなく、ブルーカラーの警察官たちは正義感も矜持も失っていない。バットマンが「俺の力が足りないのか」って苦悩するような社会かね？　と思わせてしまう作りもどうなんだろう？　

ヒーロー物に現実感を持たせたくなると、コスプレヒーローのそのコスプレの理由がその社会でどのように思われているのかに言及することになるけど、そこも中途半端な感じ。もっともそこを掘り下げたところで、それこそもうそういうのいいよ、って感じにはなりそうだけど。

アクションの見せ方はさすがなので、もしシリーズ化するなら２時間くらいの尺で、いろんな悪役との戦いこそ見せて欲しいです。