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[コメント] ボウリング・フォー・コロンバイン(2002/カナダ=米)

しかし、まぁ、いろんな人が出てきましたが、 マリリン・マンソンが一番マトモに見えたのは、わたしだけでしょうか?ちなみに、カナダでもオタワではフツーに鍵かけるそうです。(友人談)
muffler&silencer[消音装置]

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「旨いなぁ」ってのが、鑑賞後一番の感想。

しかしながら…これは断じてドキュメンタリーなんかではない!と断言するからには、ドキュメンタリーとは何たるか定義しないといけない気もしますが、面倒くさいので置いといて…。

確かに「ドキュメンタリー・タッチ」ではあります。しかし、この作品の方向性は撮影前から決まっており、マイケル・ムーアの人懐っこい笑顔と、野暮ったく聞こえるモッサリとしたトークと、あの無防備な巨体によって、あたかもそれが「偶然の連続により導かれた必然の結果」に思えるだけなのではないかと。「事実の積み重ね」に見えるだけなのではないかと。映像は怖いですね。見せたいものだけをつなげれば、あたかもそれ<だけ>が「真実」に見えるから。

それは、かの有吉佐和子が、かつて『複合汚染』という戦後日本の工業汚染問題を取り扱ったノンフィクションを書いた手法と似ています。

ドキュメンタリーに「作者の意図」があってはならない、と言うつもりはありません(だから★4なのですが)。しかし、これが<ドキュメンタリー>であると素で受け取るのは、全米ライフル協会のチャールトン・ヘストン の演説に諸手を挙げて賛同する姿と大差がない、と思うのです。

しかし、これが素に受け取れてしまう、そこがこの『ボウリング・フォー・コロンバイン』、かのマイケル・ムーアの抗いがたい魅力なのだと思います。

それだけだと★3どまりですが、何と言っても、あの チャールトン・ヘストンの去りゆく背中を捉えたあのシーンは素晴らしかった。あれが撮れたことで、マイケル・ムーアの今回の目論見は見事達成できたと言って過言ではないと思います。

今回は、策士ムーアにヤラれたということで、ハイ。

(評価:★4)

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