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[コメント] マレーナ(2000/米=伊)

この映画にも“完全版”とかあったら、大笑いしてやる!
G31

またもシチリア、大戦下。どうしてこの監督は自分が体験してない時代のことを、思い入れたっぷりに振り返ることが出来るのか?そこに不審を感じつつも、やっぱりやられた。モリコーネの楽曲がまた涙腺を刺激すんだわ。

冒頭、父に捧げるというクレジットが入ることから、基本的には彼(トルナトーレ監督)のお父さんのことを描いてるんだろうな、ということはわかる。しかしお前、まだ若いんだから、回想するなよ、総括するなよ、人生を! まあ、32歳だった「ニューシネマ」のときと違って、いまや44歳だから、それほど違和感はなくなってきたし、見せる技巧も上手くなったとは思うけど・・・。なんだかわからんうちにとり込まれてしまった。だが、下手くそだから切られた(に違いない、と勝手に信じている)「ニュー・シネマ」のときみたいに、あとから“完全版”3時間、とか出てきたら、そのときこそ大笑いしてやるからな。

映画については皆さんのコメントの通りですが、一つ付け加えるなら、敵だったはずのアメリカ軍を解放軍として迎えてしまう、イタリア人の節操の無い変節ぶりを描き込んでいる所は優れものと思う。民衆のしたたかさとして描いているのかもしれんが、これを描くのはやはり勇気が要ったんではないかな。あるいはそこらへんのバランス感覚のよさが現代的なのかも。そういった意味で、マレーナ自身がイタリアの象徴というよりは、マレーナに対する周囲の態度の変化に、大戦下イタリアの“転向”を反映させているのではないでしょうか。

80/100(01/09/07見)(12/22一部書直)

(評価:★4)

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