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[コメント] 必死剣 鳥刺し(2010/日)

「若い頃はホント良かったのに、もうおじさんになっちゃったねえ〜」
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 これは俺が言ったんじゃないよ、帰りがけにエレベーターが一緒になった、中年のご婦人方がそう言ってたんだ。むろん豊川悦司のことだわな。

 俺に言わせたってそう。映画にはある種の美を、というより極度の美を求めるので、こんな女中顔の女優さんがヒロインじゃどうにもならない。東映調のしみったれたドラマツルギーも相変わらずで、布団かぶって寝てた男がなぜ女の部屋を襲うかね。必要なのは、いつもとちょっと寝姿が違うとか、そういう描写なんだけど。同時に納得性があるから≪意外性≫が活きる訳で、ただ意外なだけでは人間が描写されてることにならんやね。気持ち悪いだけだ。

 家庭的なささやかな幸福というものを一つの理想とし、その実現を妨げるものとして≪武士道≫ないし≪武家社会の規範≫を描くという近頃ありきたりな主題なんだが、そうだとしたら、その妨げる方が当時の普遍であったはずなんだ。それを感じさせる描写の微塵もないのが稚拙だわ。

 映像は綺麗だったし、武家生活のディテールをこまこまと作り込む姿勢は秀逸だったので、この舞台装置が継承され、次々に時代劇が作られるのであれば、いつか傑作も生まれるかも、とは思えた。

65/100(11/02/11記)

(評価:★2)

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