結局、クールなんじゃなくて、空虚なんだよね。自分が東京から追い出され、そして沖縄では確実に死が迫っている事を確信しておきながら子供遊びに興じる。冷静に人を殺す姿も、心のどこかでは死に場所を探しているだけ。怖いから撃つ。

沖縄の日差しと海の中で、死を待つだけの空虚な時間の中で子供の遊びで死ぬまでの暇を潰す。恐らく皆死ぬ事を確信していたのだろうが、そんな事も忘れて心を通わせる。女の出現によりほのかに現れる愛。

こいつが北野ブルーって奴か。

こういう雰囲気は好きだし、こういう描き方は大好きだ。暴力描写や、時折覗くギャグ。死ぬのが怖いのに、死に場所を探している主人公。そしてその待つだけの空虚な時間を潰すだけの日常。

そういうのは好きなのだが、なんか足りない。結局、最後まで主人公が何をやりたかったのかわからなかったし、主人公が追い詰められている感じがしなかった。結局、ヤクザの抗争とかそんなのもよく見えなくて、延々と空虚な時間を見せられた感じが残った。「抗争」に追い詰められているんじゃなくて、単純に悲観的になっているだけにしか見えない。

お陰でラストの自殺には多少納得いかなかった。よってこの点数。