[コメント] 夏物語(1996/仏)
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なんだかんだでおいしい役のマルゴ。この女絶対狙ってるな。「あたし、遠恋の彼氏がいるの」とか言っちゃってまったくもーッ!「そんな気無いのよ」を演出するためにソレーユをダシに使ってるだろ。んでもって「結構いい感じだよ」の報を聞き出すととたんにむくれおって、お前、ソレーユのこと見下してるだろっ!これは知り合ってすごく間もないんだから「かわいいやきもち」じゃなくて確実に「当てがはずれて逆ギレ」でしょ。結局最後もガスパールに「良い思い出」として残ってるしぃ。立ち回りの上手い奴だ。
それに比べてソレーヌ、あんたおもしろいよ。いきなり目の前で着替えて、それで「そんな女じゃないわ」ってどんな女さ?あの妙な「海賊の娘」にも付き合ってくれるし、親族に紹介、それに船遊びにまで連れて行ってくれるとは。ブンブン振り回しておいて、「違うの」って振る舞うように頑張ってる(ように見える)。なんかそういう「必死」感がかわいい。とっても健気に見えるよ。思いこみは激しそうだけど、一途な女に見えなくもないかも。
レナ、お姫様気取っていられるのも今のうちだよ。気をつけろ!ガスパールでさえどっかに行っちゃったぞ!
でも、誰にでもマルゴやソレーヌやレナの部分が少なからずあるだろうなあ、と思う。そんな女の一部分を突出させてみた三人、それぞれ魅力的。ガスパールよ、もったいないぞ。あんな女の一部をいむき出しにしてる奴らと一度に知り合えるなんて滅多にない。それもみんなあんたに気があったみたいだしね。ああ、でも三人もいたから逃げ出したのか。三人ともものにしちゃおうって思わない、できない主人公の甲斐性のなさが微笑ましい。誠実さの裏返しとしておこう。
なにかできそうって思ってても結局なんにもできないでおわる夏。でもちょっと良い経験をしたとも言えなくもない夏。まあそんなもんさ。これからも思い悩め。
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