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[コメント] 離愁(1973/仏=伊)

たまたま乗合わさなければ、声をかけなかれば、そして手を差し伸ばさなければ・・・。
入江たか男

女には守るべきものが国だった。男には守るべきものが家族であった。たまたま出会い、たまたまお互いの寂しさから愛を交わす程度のことだったはずなのに。列車の中、という閉ざされた空間の中で、男はただの男として、女もただの女として何を見たのか?それは異常な世界の中で、ただの一瞬だけはぐくみ合えた、自由、という名の愛の謳歌であった。

ラスト、男はその自由の元の愛を見捨てることができなかった。 見捨ててしまっても当たり前の関係なのに。男の差し伸べる愛に、女はいつか、この時代でなかったならば・・・、愛の自由と人間の自由の差し伸べに涙で、その存在の証明をする。それは死であるかもしれないけれども、そこには真実があった。

ジャン・リュイ・トランティニャンという見事な俳優のサブの元、ロミー・シュナイダーがすばらしい演技を披露する。70年代後半から80年代にかけて、もっともフランスで尊敬された女優の、まぎれもない代表作である。 は〜や〜く〜D〜V〜D〜化、し〜て〜く〜れ〜!

(評価:★5)

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