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[コメント] アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー)

今作の「通常版」と、『黒猫・白猫』を同日に映画館で鑑賞。どっしりと重く、充実した、最高の一日になりました。「昔、ある所に国があった」というフレーズが泣けます。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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「UNZA!UNZA!クストリッツァ!」の企画で上映された『黒猫・白猫』を昼にみて、夜はイオンシネマの「シネフィル」の企画で『アンダーグラウンド』(通常版)を鑑賞。いい一日でした。

通常版でも3時間の上映時間だから、大丈夫か?と思っていたが、あっという間でした。愛すべき登場人物に、たっぷりのジプシー音楽に、そして動物たち。空飛ぶ花嫁、踊る新郎、廻る楽団、歌う人々。封鎖された地下空間はいつも楽しそう。なぜ時間を5年も遅らせていた理由は判らなかったが、思わずそこに混じりたくなるのは私だけではないはず。

そしてチンパンジーのソニが戦車に乗ってから、その楽しい時間は終焉を迎える。止まっていた時間は動き出す。そして悲劇が始まる。終盤のイヴァンとマルコの邂逅からラストまでの、怒涛の展開は胸が締め付けられる。

最後、ドナウの岸辺で、すべての人が集い、始まる宴。そして「すべて水に流す」ごとく、岸辺から切り離されて、川をゆっくり流れて去ってゆく人々。イヴァンの語りで物語は「終わらない」。泣いた。

「UNZA!UNZA!」の企画では、「完全版」5時間14分が「前編」「後編」に分かれて上映されていた。もともとTV盤として「エピソード1〜6」で製作されたそうで、各エピソードにはそれぞれオープニングとエンディングがあったそうだ。それを3時間ぐらいにまとめたものが「通常版」だそうで、「完全版」の中の2時間以上のシーンが削られた形だ。今回は「通常版」で鑑賞したが、せっかくなので完全版もいつか挑戦したいです。それも劇場で。

(評価:★5)

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