いちおう私も卓球をするのでまあ色々と粗が目に付いてしまった。「そんなスイングで入るわけないやん」「そのラケット角度ではその方向には飛ばない」「これはバタフライの宣伝映画か！」などなど。

俳優が本当にインターハイレベルの卓球をできるわけないんだから、『少林サッカー』のような迫力重視、リアリティ無視の映像のほうがよかったのでは。それこそ正しいCGの使い方ではないか、特に漫画の映画化においては。 モンタージュやスローモーションで下手くそさを隠すのはあまり潔いとは」いえない。

いちおう私は原作のファンでもあるので、ストーリーのヌルい部分は脳内で補ってそれなりに見れました。主要キャラは五人ですが、勝者は一人。つまりペコ以外は全員敗者です。でも敗者だからってダメ人間じゃない、かっこいい負け方だってあるはずだ、というのが原作の要点であった。ドラゴンもアクマもスマイルもチャイナもかっこよく敗れていった。映画では少々端折られてたけど、まあよかったんじゃないかなあ。

でも重要な布石である子供時代のエピソードはダメすぎた。子役が演技下手な上に卓球も温泉レベルなのでいかんともしがたかった。これではその後のペコの感情の変化などに重みや必然性が無くなってしまう。