[コメント] I am Sam アイ・アム・サム(2001/米)
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思ったほど泣けなかった(苦笑)
まずそもそも、「ホントにサムの子?」という疑念が最後まで頭から離れずに、「ソコのトコロは裁判でも争点になったりして」と(勝手に)期待して観ていたのに、そこんところは触れられず終いだったので、「あれま?」と拍子抜け。
そして何より、障害者の扱いが通り一遍。 ミッシェル・ファイファーのセリフ=「ワタシが世話をしていたつもりだったのに、いつの間にかアナタに助けられていた云々」(<詳しいセリフはこの通りだったかどうか記憶がアヤフヤ) 「もう、そのセリフは百万年前から何度も聞いた!!」
ファンタジー相手に怒ってもしゃーない。 現実にモット残酷な事例を知っているが、ココデは敢えて書かない。
子供には安心して、夜眠る権利がある。 外敵に襲われることなく、お腹を減らすこともなしに安全にオトナになっていく権利がある。 現実問題として考えると、サムが男手一つで育てるのはどう考えてもムリ(だからファンタジーなんだってば) この残酷な一面もある現実社会で、サムはルーシーを守りきれるのか?
万が一、無事、成人したとしても、ルーシーはやがて、健常者と出会って恋に落ちる日も来る。 しかし、ソレがハッピーエンドであるとは限らない。 その時、サムはどうするのだろう?
「あの男はオマエには相応しくない。オマエは素敵な子だから、もっと素敵な男の人が迎えに来るよ」と言うんだろう。慰めながら。 そしてルーシーが、例えば父のことが原因で、一生結婚できなかったとしたら、ソレでも慰め続けるんだろう。 「オマエは素敵な女の子だよ」と。 それに対して微笑みながら「アリガトウ、ダディ」と言い続けるんだろうな、ルーシーは。
ルーシーは誰に守られる?一体、いつ、心ゆくまであどけない子供時代を過ごすのか? その「普通だったら得られるハズの人生」を「自分は得られなかった」という欠落感も相当なモノがあると思えるが・・・ (パパに守られて、色んな事を教えて貰って、ゆっくりとオトナになっていく自分という時代を過ごす事のシアワセを彼女は知らない。彼女は7歳にして「父を庇護する存在」にならねばならない。コレは過酷すぎる)
メルヘンでファンタジーなんだからこんなにシリアスに悩む必要はないんだけど。
現実の場合は、自分が娘の結婚問題の障害になっていることにも気づかずに、毎朝、精神病院から娘に電話を掛けてきて、「いい年なのに、男の一人も捕まえられずに本当に恥ずかしいよ、アンタは!!」とか言うのだけれど・・・ ソレが原因で、娘は胃潰瘍になっちゃって、激痩せしちゃったりするんだけど。 でも親子だから、死ぬまで離れられないんだよねえ・・・
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