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[コメント] ターミネーター2(1991/米)

小学生の時に1と共にコレを観て映画好きになった。これより素晴らしいと感じた作品はたくさんあるが、初めて観たこの映画ほど、食い入るように画面を見つめ、怖さ、衝撃、面白さ、感動を感じる映画など、もうないだろう。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ストーリーなど関係なく、画面に映る、まだ全盛期だったアーノルド・シュワルツェネッガーを観て、カッコイイと思い、ビデオデッキが壊れるぐらい(本当に故障しました)観ていた、小学一年生の頃の自分。あの頃は良かったなーと思いつつ、成長し、かわいさなど消え失せ、いろんな映画のメッセージも何となく読みとれるようになった、中学生(2002,6)の自分。初めて観た映画がこの映画じゃなかったならどうなっていただろう?いずれはたくさんの映画を観て、シネスケにも入会していただろうが、本当に衝撃を受け、この映画がオレの原点だ!と言える映画はなかったかもしれない。コレを観なければ、いつまでも『ドラえもん のび太と〜』シリーズを卒業できなかったかもしれないから。通算で60回は観ているこの映画を、思い出と共に、1との比較もしながら、色々と書き連ねたいと思う。

 冒頭、2029年の未来戦争のシーン。1の冒頭の未来戦争のシーンは、時代の古さ、低予算ということもあって、合成もわかりやすいものだった。しかし2はHKやターミネーターの動きもスムーズで迫力があった。この時点で、圧倒的な予算の差、科学の進歩がわかる。リンダ・ハミルトンによる1のネタバレナレーション(続編だから当然)で1を観ていない人も何となくストーリーがわかり、恒例のダダスダスダダスのテーマ曲が始まる。2のバックは炎で燃える公園なので、1のバックのターミネーターの文字がグルグル動き回るのとはインパクトが違う。1のテーマと2のテーマは聞き比べるとかなり違う。どっちも同じぐらい好きなのだが。

 そして1994年ロサンゼルス。やや歳をとったシュワちゃんが恒例のフリチンで登場。1で途中から始まり、なかなかお決まりのスタイルだった黒の革ジャンにサングラスは今回、最初からだ。ロボットの分際でスタイリッシュに決めてバイクで走り去っていく。このシーンを見て、バイクに乗りたいと思った。マリオカートもロクに出来ないのに、ノーヘルでグラスかけて思いっきり飛ばす夢を何度も見た。

 そして悪役T-1000(ロバート・パトリック)、不良少年と化したジョン・コナー(エドワード・ファーロング)の登場後、精神病院。何とそこにはリンダ・ハミルトン!前作を観ている人にはなかなか驚きの展開である。1では普通の女子大生だったサラが登場したと思えば精神病院に、入ってるんだからね。しかも懸垂やって汗ダクで。続編のストーリーとしては特別無理でもないし、ああいう運命を背負ったんだったらこんな風になっても仕方があるまい。

 時間は進み、通路の銃撃戦。T-1000は血も出ず、倒れたと思ったら撃たれた痕が元通りに。通路の攻防のあと、バイクとトラックのチェイスが始まった。ここでオレはエキサイティングな展開に夢中になり、心臓ドキドキで、無言で画面を見つめていたものだ。そして爆発して炎上したトラックから出てきたのはペプシマン?え?と驚いていたら突然色が付いてまたT-1000に。この時点で、T-800だったら燃えて、骨組みだけになっていただろう。このCG(当時は当然その名も知らない)は本当に驚きだった。

 そして母を助け出す前のジョンとT-800の会話。自分を守ってくれて、命令を聞いてくれるターミネーターに憧れた。決してウソもつかず、力だけならかなり信頼できる相手だ。間違った使い方さえしなければ最高のパートナーだろう。不良少年ではあったが、むかつく相手を殺すことや、人を傷つけることをターミネーターにやめさせたジョンは、母親の教育のお陰(?)なのか、人類の指導者になる(予定)だけあって、物事の判断はよくできていた。

 サラ救出後、サラはまだ自分が襲われた記憶もありターミネーターに賛成してはいなかったが、怒ることもなくずっとそばでジョンを守る、その存在は父親らしく見えていた。さてダイソンの話も聞き、エンリケさんのところで武器の調達中、サラは夢を見る。核戦争の始まりの恐ろしい夢を。いくら警告しても、人々は否定し、冷たい視線を浴びせる。「運命ではない」。そう、ダイソンを殺せば全ては変わる。核戦争は起きない。サラは単身、車でダイソンを殺しへと向かう。

 運命は変わる。誰かの命を犠牲にすることはない。1では断念した(T1のDVD特別編未公開シーンに収録。T1の俺のレビューにも乗ってます)サイバーダイン社に乗り込んでのシステムの破壊を計画した。集合したSWATを攻撃するためのガトリングガンを持ってT-800は言った。「TRUST ME.」シュワちゃんの歴代の映画でこれほどまでにカッコ良く、頼りになるシュワちゃんがいただろうか?

 しつこいカーチェイスのあと、T-1000も消えて、旧ターミネーターの残骸も処分し、自分も溶鉱炉へ行こうとするときのT-800の言葉。「人間の泣く理由が分かった。俺には泣けないが。」自分が涙を流せなくても、人が泣く気持ちをロボットは理解した。そしてサラとも握手を交わす。サラもターミネーターを認めた瞬間だ。そして最後、親指を立て、ターミネーターは溶鉱炉へと沈んでいった。

 1に比べ、ロマンスなどの要素はないが、金をかけただけあってスケールもでかく、「どこまでも追ってくるターミネーターの恐怖」より「運命を変えていく」「ターミネーターの心」といったテーマにうまく焦点を当てたのは正解だったといえよう。ただ一つ、ダメだったのはこの作品を撮ってからか、キャメロンが自分を巨匠と思い込んでいることぐらいだ。

これはおれのベストムービーではない。だが、いつまでも心に残り、忘れられない映画だと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ペンクロフ ぱーこ[*] peacefullife[*]

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