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[コメント] 小説吉田学校(1983/日)

講和の後がこんなに長いとは思わなかった。映画は面白いが<政治>は下らん!☆3.7点。
死ぬまでシネマ

吉田茂(1878〜1967)と言うと戦中の反主流派時代からを是非観たいが、森繁(1913〜2009)だと戦後からなのは仕方無いか。サンフランシスコ講和迄が重要だと思っていたから、物語がその後に大きく重心を置いていたのに驚いた(原作未読)。講和迄が白黒、その後がカラーになる所からして、講和迄がレジェンド、その後が現在('83年当時)に繋がる政治状況、と区別しているのだろう。

娘の和子(夏目雅子)やら周りが口々に諌めるのはややシツコい。観客には充分老醜は伝わっていると思うが、吉田をどう描きたいのか、制作側が割り切れてない。(戦国大名の国盗りみたいなのは噺としては面白いのだが、それが私達の政治だとは馬鹿馬鹿しい。吉田の権力への固執が手本となって受け継がれた事は、21世紀の権力中枢を見ても明らかだろう)

白洲次郎(1902〜85)が全く出てこないのにもビックリ。存命中の1983年当時はまだ影の存在だったか? 対立するGHQのケーディスに不倫スキャンダルで反撃したエピソードもなかった。

物語の中心人物たち以外に宮澤・福田パパ・安倍パパ・海部…と当時の若手が字幕付きで出てくるのは面白かったが、同時に演じる側として石田純一を始め橋爪 功小林稔侍等がツルッと出てくるのが良かった。

(評価:★3)

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