[コメント] ココニイルコト(2001/日)
※普段はコメント内での一人称に「私」または「自分」を使っているが、今回だけ「オレ」で通させていただく。
主人公とオレにはいくつかの共通点がある。まず生まれた年が同じ(1975年)ということ。この映画が作られた2001年に26歳になっている世代だ。
26歳、すなわち20代も後半に差しかかり、ある程度生活も落ち着き、例えば結婚なんかもそろそろ気になってくる時期。正直な話、オレも機会があれば結婚するだろうと思う。恐らくは主人公だってそうだろうと思うし、彼女の場合はその意識が少し違う方向へ流れてしまっただけの話じゃないかと思うのだ。
そして2つ目の共通点。仕事に張り合いを感じていないということ。いや、これは個人的な話で恐縮だが、このコメントを書いている現在、オレも今の仕事にはハッキリ言ってあまり興味がない。かと言って転職もままならず、今の仕事でやる気を出すつもりもなく、ただ無難に過ごしているだけの毎日だ。
そんなこんなで、「この映画はオレのことを言っているのか?」と思うくらい、主人公(とこの映画)にオレは感情移入させられまくりなわけである。
で、そんな彼女は、前野という同僚の存在によって変わっていくわけだ。この前野という人物はどことなく現実離れしているような印象があるが、まあそれもこの映画を観た人なら分かるように、彼自身は他人(この場合主人公)を変える、言わば触媒であって、決して自分自身が何かしようという性質の人物ではないわけだから、この位置付けももっともであろう。
この明確な位置付けによって、この映画は「前野によって変えられていく主人公」という根幹のストーリーがはっきり浮き出た、ストレートな語り口の作品に仕上がっているのだ。
まとめれば、この作品は20代後半という世代を等身大で描いている、地に足のついた映画である。その意味で、純粋に支持したいと思う。同世代の時にこの映画と出会えて良かった。うん。
あっとそうそう、主人公が使っている携帯、あれはオレが今使っている機種と全く同じです。こんなとこにも共通点。うむ。
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