[コメント] 孤独な場所で(1950/米)
単なるキザ野郎以上に狂気を背負っているボガートが良い。「原作に忠実に?」とか「よいラブシーンは、言葉以外で愛を表現するからさ」など、脚本家視点でのセリフにも唸らされ、それがこのボガートの魅力だ。
朝食のシーンはしびれる。グレープフルーツナイフをまっすぐにしてしまうとか、不器用にナイフを入れるとか、ルームサービスだとはしゃぐとか、脚本家としての意見を言うとか。「彼の顔が好きなの」といわれた男が女に夢中になってしまうのが可愛くもある。
状況により相手に判断を下してしまう愚かしさや、愛情と愛憎の表裏一体となった悲しみ。それがボガート/グレアム二人の目線により最大限表されている。メルアート・スミスはもちろん、くわえタバコの家政婦エフィなど、脇もよい仕事をしている。
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