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[コメント] キャスト・アウェイ(2000/米)

おおっ『救命艇』!
ペペロンチーノ

前作『ホワット・ライズ・ビニーズ』(残念ながら未見だが)に引き続き、ロバート・ゼメキスアルフレッド・ヒッチコック的演出に目覚めたのだろうか?『救命艇』を連想させる墜落シーン。ラストは『北北西に進路をとれ』を連想させる。

ヒッチ好きと言えばブライアン・デ・パルマが有名で、多大な影響を受けている。私は常々ゼメキスとデ・パルマは似ていると思っている。しかし決定的な違いは、ゼメキスは大人であるという事だ。デ・パルマもやっと目先の映像マジックから人間描写に重きを置く様になったと言われるが、それはゼメキスの比ではない。同じ宇宙と人類の関係を描いた『コンタクト』と『ミッション・トゥ・マース』を比較すれば一目瞭然だ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だって、スピルバーグが自ら監督していたらもっと子ども向けの娯楽作品で終わっていただろう。

フォレストガンプ』『コンタクト』と最近のゼメキス作品の根底に流れるのは、「人が人として生きていくこと」と「孤独」であると思う。この映画もその延長線上、あるいは集大成に位置づけられるのではないか。そのために、わざとかくも古典的かつ話の広がりようの無い題材を選んだのではないだろうか。

たしかに記憶には残らない映画だろう。しかし、決して「軽い」映画だとも思えない。もしこの映画を「軽い」と評する人がいるとしたら、感涙に咽び泣くラブロマンスを期待した人か、あるいは、小難しい哲学書にしか人類の学ぶべきものが書かれていないと誤解している人であろう。私は、こういうエンターテイメント作品の中に深いテーマをさりげなく盛り込んでいる映画を評価したい。(その割に3点だけどね)

(評価:★3)

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