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[コメント] 新・仁義なき戦い。(2000/日)

NIPPONの権力や組織の暴力のカリカチュア。もはやシニカルでなくコミカルな現実風刺として面白い。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







民間企業も官僚たちも日本の(男たちの)組織って、わかりやすく描くとこうなんだろうなという痛快さがある。わかりやすい例でいうと、焼肉ご馳走している時に厚ぼったい封筒で客人に現金を配るシーン。実際の社会で行われていることは、現金ではなかったりして(案外現金だったりするのかもだが)「よくみえない」からモヤモヤするわけだけど、まあ組織をマネジメントしている連中のやってることは一枚の画で表せばズバリこれよ。これを外からわかりにくくやってるだけ。

上が下から集金する仕組みなんかもそうだし。トヨエツが組の下っ端に「なに昼間から事務所にくすぶってんねん、ワシにもたれていたらなんかええことでもあるんかい!」と怒鳴りつける場面で笑ってしまった。会社の営業部長が若い営業部員に同じこと言ってるんで。まあ一理あるけど、同時に下の営業部員が作業してくれるからこそ、管理職が毎日にらんでるエクセルにも数字が少しずつ入力されてくるわけで。

気に入らない相手、自分にとって邪魔な相手にはどんどん弾をぶち込んで排除する。いやがらせや、裏からの手回しで、実際の社会で日々陰で行われている争いってわかりやすく表現するとこうなんだなぁと得心してしまう。ああ裏でちまちまやっている仕事もこんなふうに片づけられたらなあ。。実際にやってみたらきついだろうけど、やっぱりその単純明快さに爽快感を感じるのは確かだろう。そういえば現金の攻勢も「実弾」とかいうよな。政治活動も含めて日本のビジネス組織って端的にいってしまえば、わかりにくい暴力団なんだろう。「経済」を軸に社会が動いてるのは世界標準だけど、こういう上下関係と実弾の応酬する集団運動になってしまうのは日本人の性質になじみ深いものなのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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