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[コメント] 地下鉄のザジ(1960/仏)

パリは朝から晩まで、自分のことばかりしゃべっている都市である。 ジャン・コクトー
ルッコラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







はじめて地下鉄に乗ったのは、ちょうどザジくらいの年頃でした。(ザジはメトロに乗れなかったけど)この映画を観たのは、それからしばらくたった中学生の時です。何故か英語字幕だったので意味は全然・・そのせいか、リアルな心象風景に感じました。

こどもの頃って街に出かけると、すごく興奮しませんでした?見るもの全てが驚きで。色んな人がたくさんいるだけで、キョロキョロしていたような。だから前半のスラップスティックは、そんなハイになって走り回りたい気持ちそのままのような気がしました。

おかしなオジさんとの追いかけっこも、こどもって鬼より逃げる方が好きでしょ。そしてフィリップ・ノワレ のエッフェル塔のぼりも、絶対にしたいことじゃありません?(自分は高所恐怖症でないので)パリに行ったらできるのかな とか東京タワー登りたいな とか思いませんでした?いきなりクマちゃんがいるのだって、いて欲しいから当然、みたいな。風船で降りてくるのなんて、誰もが本当にできたらなあと思ってしまうことですよね。

自分は体が弱くて都会に慣れていないので、すぐに疲れちゃって具合が悪くなっちゃうのだけど、後半のシュールな展開はそんな感じです。突然今までの景色が急に変わって怖く見えちゃいませんでした?夜になるともう、知らない人達がオバケに思えたりとか。警官に「どうしたの?」と聞かれただけなのに、あんな風に絶叫演説に思えたりとか。もう夢なんだか現実なんだか分からなかったり。大人の話しも何言ってるのか何しているのか分かんなくて変に見えたり。さすがに後半は長いなと思いますが、帰りたくなっちゃってから実際に帰るのってあれくらい長く感じませんでした?最後も「あ〜やっと帰れる。けっこう楽しかったな」とサッパリした感じのお別れの挨拶に思えました。

ヌーベル・ヴァーグのスタイルやおしゃれな映画?とか、ザジ(カトリーヌ・ドモンジョ )が可愛い?のかとかは分かりませんが身近に感じた次第です。

(評価:★4)

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