[コメント] リパルジョン・反撥(1965/英)
家賃を払う、肉を捨てる。ほんのちょっとのことができない主人公。ひとりの恐怖と何とかなるさという甘え。リアルな恐怖がここにある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ほんのちょっとのことで何かをためらってしまうとき、はっきりものが言えないとき、いつも彼女を思い出す。
女ばかりのエステサロンで働く彼女(多分美人だから拾われたんだろう。仕事はトロそうだ)。姉と同居の彼女(ご飯はきっと全部姉がつくるんだろう)。気楽な女同士、はっきりした物言いがなくても何となくやっていけてしまう生活。周りに甘えて自分を守る生活。
姉がいなくなることで、家にひとり。鍵をかければそこは密室。甘えて守ってもらっていたものはもうない。ちらちらと見えてくる恐怖。彼女が曖昧な態度でうっちゃった男の影。そんな影がしっかりとした形になって、はっきりと「いや」を(弱々しくはあったが)言ったのにドアを突き破って入ってきた。もうダメだ、と思っただろう。
ラストに写る平穏な家族写真。彼女はただ、ほんの少し甘ったれで、ほんの少し繊細だっただけなのさ。そんな甘さは自分にもある。自分の中に彼女がいるかもと思う。自分が怖くなる。なんてリアルな恐怖と狂気。
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