[コメント] ゲッタウェイ(1972/米)
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当時のスティーヴ・マックィーンは年下なのだなあ。そういう年齢になって見直すと感じ方も随分違うし、以前よりもさらに楽しめる。
『ベイビー・ドライバー』の後で再見した本作は最新の娯楽作と比較してもなんら遜色はない。会話が上滑りしないし。そしてドクつながりで観るのもちょっと面白いのでおススメ。
カースタントにしても銃撃戦にしてもアクションシーンへのこだわりはさすがのペキンパー作品、何というか“乾いている”感じがたまらない。マックィーンがどこまでカーアクションをこなしていたのかも気になる。
こちらのドクも運転はするけど、どちらかというと妻のキャロルの方が上手いんじゃないのかっていう描き方は面白い。このキャロルはただ従順というわけでなく、愛する夫のためには文字通り身体をはってムショから救い出し、それを咎められたら「何知らないふりしてんだよ、わかっててお前が頼んだんだろうが(言ってないけど)」と銃口を向けるんだから頼もしい。
そういう二人がヤマを踏んで逃走後になんやかんやでゴミにまみれて仲直りというくだりも素晴らしい。特にゴミ山に落とされるところはよく撮ったなと思うシーンで、機械仕掛けで排除される構図などは示唆的だ。このあたりは冒頭のシークエンスでも示されている。
あとバイクで犬とタンデムしてくる奴をちらっと差し込むとか、スペアリブのくだりとか「何やねん」というシーンがいちいち面白いし、全体として陽性の空気感を保たせたことで今作がペキンパーとして最大のヒットになったのもまあうなずける。
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