[コメント] 萌の朱雀(1997/日)
こぼれ続けるやるせないため息や視線が、思い出したかのように時々ふと台詞になる。それは甘い感傷ではなく、もっと切実な心の澱のようなもの。だからこそ山の緑は、それを糧としいっそう強く(静かに)瞬くしかないのではないか。
ドキュメンタリーのように挿入される村人のカットが、思惟の世界に完全に閉じこもった儚いばかりの心象映画、になりそうなところをどうにか押しとどめることに成功していた。と思う。
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